筋力トレーニングは必須だと考えていませんか?
強くなるには、「パワーとスピード」をつけること。
そのためには、筋力トレーニングこそ最も大切。
より強い筋力を持つ外国人に日本人は勝てない。
より強い筋力を持っている若い人に年配者は勝てない。
この誤解を世界中の人に植え付けるのに貢献したのは、
1964年東京五輪 柔道無差別級で
ヘーシンクが日本人を破って金メダルをとった事実でしょう。
当時は、テレビが日本に急速に普及し始めた時でした。
柔道界だけでなく、広く日本人全体に激震が走ったハズです。
しかし、本当に強くなるには、筋力を鍛えることが大切なのでしょうか?
結論を出す前に
こちらのユーチューブを見ていただきたいのです。
https://www.youtube.com/watch?v=s9SFpOkkGoE
講道館柔道の三船久蔵十段が六段から八段までの高段者・連続8名を相手に
およそ5分間、入れ替わり立ち代わり、自由組手をこなしています。
小さなご老人が、自分よりも若く筋力が上に見える相手、
それもことごとく高段者を相手に組手を行っています。
注目すべき点は、
・5分間もの間、連続して行っているにも関わらず、息が乱れていないこと。
・最初は、相手に好きなだけ技をかけさせて、それを体さばきでこなしていること。
・技をかけると決めてから、技をかけるまで、まるで迷いが無いこと、
しかも、いずれも一回で一本を決めていること。
・これら受け投げ全てを通じて、無駄な力が一切、入っていないこと。
・過去から現在まで、柔道家の中に、こうした動きを継承していると
思われる人は一人も存在していないこと。
むしろ真逆の方向に向かっているように思えること。
では、三船十段が、筋力を鍛える以外に、何を重視していたのでしょう?
三船十段と普通の高段者との考え方の違いは何だったのでしょう?
三船十段と、現在まで続く「筋力強化は絶対に必要」との考え方の違いは
何なのでしょう?
この質問に対する答えがわからない限り、
武道をやっていることは、単に自己満足にしかならず、
(したがって、真の意味で私たちが変貌することは出来ないでしょう。)
武道を通じて、得られる最も大切な境地に至ることは無いと考えています。
では、その答えとは何か?
次回は、それをお伝えします。